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EC販売の物流に関して その②配送会社に関して

今回はEC販売の物流における大きなポイントである配送会社に関して整理してみたいと思います。

日本通運、西濃運輸、福山通運など全国の主要都市間に配送網を持つ大手の配送会社はいくつもありますが、ほとんどがBtoBをメインとしており、BtoCの宅配からは基本的に撤退あるいは他社に移管しています。

BtoCの宅配を全国規模で展開している配送会社はヤマト運輸、佐川急便、日本郵便(JP)の3社になります。

BtoCの宅配市場は急激に拡大し各配送会社も力を入れていた時期もありますが、様々な課題が出てきて、今では全国規模での展開は上記3社に集約される形になりました。

上記3社も雇用問題、再配達問題、運賃問題等の大きな課題を乗りきるために、2017年ぐらいに荷主との大幅な契約条件の改定に踏み切りました。

それ以前は競合会社との競争の中で、「全国一律送料」「全サイズ一律送料」など、今では信じられないような条件で契約していた荷主も多く、配送会社の経営をじわじわと圧迫していった状況の中、具体的には下記のような条件改定の提示がありました。

 1,全ての荷主(クライアント)に「地帯別料金」を導入 

 2,全ての荷主(クライアント)に「サイズ別料金」を導入

 3,最終集荷時間の繰り上げ

 4,運送料金の相対的な値上げ 

EC会社の全コストに占める物流費の比率は極めて高いことから、この条件改定はEC会社の経営に直撃する形になりました。

大手EC会社の一定条件での配送費無料継続の影響もあり、多くのEC会社は軽々にお客様に送料を負担していただく形や送料値上げに踏み切れない状況に追い込まれました。

運送会社が苦労していたのはコスト問題だけでなく、長時間の就業時間に対しての対策であり、EC会社からの集荷締切時間の繰り上げや再配達の制限はEC販売の業務の流れに大きな影響がでました。

現在、大手EC会社は自社倉庫から自社便、または自社でコントロールできる運送会社(中小の運送会社)と契約をしてこの配送課題に対策を立てていますが順風満帆とは言えないようです。

EC販売は最終的にはお客様に商品を届けなければなりません。

宅配に依存しなければビジネスが成り立ちません。

宅配の運送会社と共栄共存の形を模索し、お互いの立場をよく理解して少しでも両社が納得できる配送体制を作っていくことが大切です。

次回は運送会社が設定している宅配形態の特徴と使い方に関して整理していきたいと思っています。